水分補給や不要な外出を控えるなど、熱中症対策には様々な方法があります。食事も熱中症対策のひとつ!夏の暑さで食欲が減退するかもしれませんが、しっかりと食事を摂ることは熱中症予防にも効果的です。
そんな暑い時期に食べてほしい食べ物や熱中症予防にオススメの飲み物を紹介します。暑さに負けず、元気に夏を乗り切りましょう。
暑い夏こそ栄養補給が大切!その理由は?
暑い日が続くと、そうめんやサラダなどあっさりしたものが食べたくなりますよね。時々ならいいのですが、何日も続くようでは夏バテを起こしてしまいます。
夏の暑さは汗を大量にかくので、自分が思っている以上に体力を消耗していることも。そんなときに栄養や水分が不足していたら体調を崩してしまいますよね。
汗をかくだけでもエネルギーを消費するので、夏はしっかりと栄養補給することが大切です。
夏に摂りたい栄養素
では、夏はどんな栄養を摂ったらいいのでしょうか?オススメの栄養素は、次の3つです。
- ナトリウムとカリウム
- 糖質
- ビタミンB1
詳しく説明します。
ナトリウムとカリウム
夏に摂った方がいい栄養素ひとつ目は、ナトリウムとカリウム!人の身体は、排泄や汗などで1日に2,500mlもの水分を排出します。とくに暑い日は汗をかく量も増えるため、さらに多くの水分が排出されているでしょう。
汗には水分のほかにナトリウムやカリウムなどの電解質が含まれていて、汗をかくほど体内からナトリウムやカリウムなどが失われていくのです。電解質が不足すると、筋肉のけいれんやつりやすくなるなど熱中症の特徴的な症状が出ます。
電解質は体内では作れないので、食べ物や飲み物から摂取しなければならないんですね。
糖質
夏の暑さはとくに運動をしなくても、エネルギーを消費します。エネルギーが不足すると、いわゆる「夏バテ」といわれる状態になり、熱中症にもなりやすくなります。
夏バテしない身体を作るには、エネルギーとなる糖質や脂質などを積極的に摂るのがオススメです。ただし、あくまでも適量が大事。摂りすぎは肥満や糖尿病の原因になるのでご注意ください。
ビタミンB1
暑い夏は体力を消耗しやすいので、疲労回復効果があるビタミンB1を積極的に摂取しましょう。ビタミンB1には疲労回復したり、糖の代謝を促してエネルギーに変えたり、イライラを抑える効果も。暑い日はイライラしやすいので、ぜひ取り入れたい栄養素ですね。
ビタミンB1は、にんにくや玉ねぎ、ニラなどに含まれる『アリシン』という栄養素と一緒に摂ると吸収率が高くなります。ビタミンB1は、豚肉にも多く含まれているので『生姜焼き』にすれば吸収も良くなりオススメの食べ方です。
熱中症予防に効果的な食材・食べ物
熱中症予防のためには、ひとつの栄養素でできるわけではなく、先ほど紹介した栄養素をバランスよく摂っていく必要があります。また、食べ合わせによって吸収率が上がるものも多いので、これらを使って、効率的に熱中症予防できるメニューを考えたいものです。
では、具体的にはどのような食材が熱中症予防に効果があるのでしょうか?
以下にまとめたので、説明していきます。
豚肉
豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれています。暑さによる疲れや倦怠感を軽くしてくれます。
そして、筋肉をつくるタンパク質も多く含んでいるので、夏場の体力維持にはピッタリの食材です。
ビタミンB1の吸収を助けるアリシンは、香り成分の一種なので香味野菜(にんにく・玉ねぎ・ニラなど)に含まれています。にんにくをたっぷり効かせたガーリックステーキや、ニラをたっぷり使った餃子などで食べるのがオススメです。
納豆
納豆はビタミンB1だけでなく、カリウムなどの電解質も豊富に含んでいる食材。そのまま食べられるご飯のおともです。
ビタミンB1は炭水化物を糖質に変えエネルギーにしてくれるので、吸収率をあげるネギなどの薬味をプラスした納豆ご飯が暑い日の栄養補給に最適ですね。
ぬか漬け
米ぬかにはビタミンB1が多く含まれています。ですが、そのまま食べる機会は少ないので、そんな時は夏野菜を漬けてぬか漬けとして栄養補給しましょう。
ぬか漬けであれば、乳酸菌や塩分も一緒に摂取できます。乳酸菌は腸内環境を整えてくれ、塩分も一緒に補給すれば汗で失った電解質も補給できて一石二鳥ですよ。
モロヘイヤ
モロヘイヤは夏が旬の、非常に栄養価が高い食材です。ネバネバしたものを食べると夏バテしないと昔から言われていますよね。モロヘイヤにはカリウムが多く含まれているので、汗で流れ出た電解質を効率的に補給できます。
カリウムは加熱すると水分とともに流れ出てしまうので、モロヘイヤなどはスープにして汁ごと取り入れるのがいいです。加熱しても減らないので、オススメですよ。
うなぎ
うなぎは、昔から夏バテ知らずの食べ物として有名です。ビタミンB1も豊富に含まれていますが、紫外線の刺激で出てくる活性酸素の働きを軽減させるビタミンAやビタミンCを多く含んでいます。
暑い日は、うなぎをそのまま丼で…もいいですが、きゅうりと合わせた「鰻ざく」もオススメ。熱々のうなぎの蒲焼きに冷たいきゅうりの酢の物を合わせた料理。きゅうりにはカリウムが含まれていて利尿作用で身体にこもった熱を放出してくれる効果もあります。酢の物ですから脂質の分解も助けてくれて、夏バテ予防の効果も抜群ですよ。
熱中症対策にオススメの飲み物
飲み物にも熱中症予防に効果的なものがあります。それが以下の2つです。
- 経口補水液
- 麦茶
詳しく説明していきます。
経口補水液
経口補水液には、電解質と糖分がバランスよく配合されているので、軽い脱水症状の際に水分補給として飲むことを推奨されています。ですが、ナトリウムなども多く入っているので、健康な状態ではあまり多く飲まない方がいいでしょう。
あくまでも大量に汗をかいたときや、暑いのに汗が出ないなどの熱中症の症状がみられたときの水分補給に飲みましょう。
麦茶
麦茶にはミネラルが多く含まれているので、熱中症予防によい飲み物のひとつ。汗をかいたときには、塩分も一緒に摂取したいので、少量の塩を入れたり梅干しを入れたりして飲むといいとされています。
暑い日は冷たい麦茶が飲みたくなりますが、冷たいものを一気に飲むと血中の塩分濃度が薄まり、利用作用でかえって脱水を起こしやすくなります。こまめに飲むか、ぬるめにして飲むといいですよ。
こんな飲み物はNG!
一見良さそうなのに実は熱中症対策に向いていない飲み物があります。それが次の2つです。
- カフェインが多い飲み物
- スポーツドリンクのがぶ飲み
詳しく説明していきます。
カフェインが多い飲み物
熱中症の症状を悪化させるのが「カフェインが入った飲み物」です。カフェインには利用作用があるので、体内の水分を排出してしまいます。
暑い時期は汗からも水分が抜けていくので、体内の水分が大量に失われる原因に。カフェインが入っている飲み物といえば、コーヒーや紅茶、緑茶などが代表的です。
アルコールも同じように利尿作用があるので、飲み過ぎには注意しましょう。
スポーツドリンクのがぶ飲み
一見、熱中症対策にいいと思いがちなスポーツドリンクですが、実は熱中症になるリスクを上げるケースもあります。それは、スポーツドリンクには糖分が多く含まれているから。
糖分の多い飲み物を習慣的に飲んでいると、肥満や糖尿病になる可能性が高くなります。肥満や糖尿病になると熱中症にもかかりやすいと言われているので、がぶ飲みはしないよう気をつけましょう。
しっかりと栄養補給して熱中症を予防しよう!
熱中症を予防するには、普段の食事でも対策が必要です。まずはしっかり食事を摂って、夏バテにならないようにすることが大切です。
必要な栄養や効率的な組み合わせもご紹介したので、今年の熱中症対策に取り入れてみてくださいね。